そもんずイズム

年100回のフライトで世界を旅する人✈️トリリンガルの息子たちにむけて「2050年に、世界のどこでもメシが食えて人生を楽しめる生き方」をつぶやいたり、ブログを書いたりしています😅 フォローしても金儲けやモテは、ほぼゼロですが、楽しく生きる気づきは得られるかも👍

シンガポールのスーパーエリートと恋愛論・人生論を5時間語り合ってみた

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シンガポール在住のBRIANと初めて出会ったのは、約半年前にBloombergが主催した経営者会議。
 
そこで、出会った数人のアジアの友人たちは、日本には絶対いないくらい非常にインパクトがあって、人生の価値観をゆるがしてくれた。その中でも、一番意気投合し、ふたりでバンコクの高級ホテルで酔っ払いまくったのが1才年上のBRIAN。
 
シンガポール育ちで、ロンドンの大学・MBAを卒業。大手の外資金融でアセットマネージメントを経験後、プライベートエクイティファンドを共同で設立し、1年前に自分の会社をシンガポールで設立した。
 
日本大好きで、1年に1回から2回は、日本全国を旅行している。
大好きなのは、寿司屋、すき焼きはもちろんだが、一番は日本酒。
 
日本酒は、奥さんも大好きで、日本の楽天で越境購入したというスマホの写真には、14代が5本、獺祭3本、あとおそらくプレミアムな日本酒が数本。
日本では、1本1万円以上する高価なお酒だが、シンガポールではもっと高く、3万円から5万円するらしい。そりゃ、大人買いしますな、笑
 

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そんな彼に連れてこられたレストランは、ラッフルズプレイスの最上階のバー。
最上階のプールが有名なマリナベイサンズが眼下に広がり、周りは金曜日の仕事帰りの多国籍なOLやサラリーマンが酒をあおっている。
いわゆる、アジアで最高のリア充な人たち。
 
周りは金融街だから、彼らの半分以上は年収3000万円を超えていて、ほぼ全員、億万長者だろう。
 
そんな自分の前でにこやかに座っているナイスガイも、数億を数年で稼いだミリオネアなんだけど。
 
早速、一杯14ドルのハイネケンで乾杯し、久々の再会を喜んだ。
 
最初の1時間は仕事の話でひとしきり、盛り上がった後、お互いの人生観や結婚観の話に移っていった。ちょうど3杯目のハイネケンを飲み干し、赤ワインのボトルをBrianが注文した。

シンガポーリアンの恋愛事情

(2人の会話は英語ですが、なんとなーく日本語訳します)

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そもんず

Brianは、中国系だけど、奥さんも中国系やったよね。Facebookでみたよ。しかも結構かわいい。奥さんとはどうやって出会ったの?

出会いはロンドンなんだよね。留学していたときに、向こうのレストランで、友人とChineseを食べていたときに、相席になったんだよね。

シンガポーリアンの英語って、特徴があるから友人と話をしていたら、彼女と一緒に来ていたお母さんから、『シンガポーリアンですか?』って聞かれて、話をしていたんだ。

彼のお兄さんもロンドンにいて、彼女もこれからしばらくロンドンに滞在するから、お母さんから、彼女と仲良くしてあげてね、という話になったんだ

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Brian

 

  それから、お母さんから紹介された娘をロンドン中、連れ回すBrian。

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そもんず

で、そこからすぐに結婚したの?

ロンドンでは結構デートもしていたんだけど、その後、彼女がシンガポールに帰っちゃって。その後は、全く会っていなかったね。
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Brian
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そもんず

ほうほう。で、そこからどうやって結婚にたどり着いたの?

そこから数年後、たまたまシンガポールに帰ってくるタイミングがあって、再会したんだ。 そして付き合うことになって。でも、その後彼女から言われたことがあって・・・。『私と結婚したいなら、シンガポールに戻ってきて、仕事を見つけてね』と。 あと、『子供は2人欲しいから、しっかり稼いでお家も早く買ってね。あ、車もね』
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Brian
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そもんず

強い、強すぎる。シンガポールの車はどんなにしょぼくても、税金の関係で最低1000万円はするし、自宅も1億円はざらやん。しかも、まだ学生に対して言うなんて・・・

シンガポールでは結構そういう要求は普通なんだよね。家を持っていないと結婚できないとか。
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Brian
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そもんず

おぉぉぅ、そうかあ(今だに借家住まいのそもんずはちょっと心苦しい)。

で、帰ってきて、大手の外資金融に入って、それは実現したの?

だね。
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Brian

 

(だねって、さらっというけど、普通はめっちゃハードル高いやん。)

ちなみに、シンガポールの2014年度の平均初婚年齢は、

男性 30.2歳、女性 28.2歳と、日本とほぼ同じぐらい。
 

シンガポール人の生活事情

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Brian一家は、来月、また日本に遊びに行くという。
でも、3番目の子供は生まれてまだ3ヶ月。

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そもんず

日本どうやって行くの?まだ子供3ヶ月でしょ?
えっ、当たり前じゃん、ベビーシッターに預けて行くよ。 一緒に行ったら、遊べないでしょ
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Brian

 

なんともドライだ。まあ、確かに0歳で覚えていることはないけど、日本人的な感覚ではこれはなかなか到達できない域なんだろうな。
 
そもんずは、子供が3ヶ月のときに沖縄につれて行ったけど、やはり十分には遊べなかった思い出がかけめぐる。
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そもんず
普段は、食事とかどうしているの?
実は、ヨメも働いているから家事はやっていなくて、メイドさんがほぼ全部やってくれている。 家族で外食をしながらすませることもある。あと、奥さんと2人でデートに出ることも多いよ。
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Brian
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そもんず
なんだか、アメリカの家庭みたいだね。ホームパーティーとかによく出かける・・・
あー、そうそう、シンガポールでは離婚がなかなか難しいというのもあって、 奥さんをいつまでも彼女のように扱わないといけない感じがあるんだよね
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Brian

 

 

離婚もなかなか難しく、お互いが離婚に同意したとしても最低3年は別居をしなければならない。その期間を経てようやく法的に離婚が成立する。政府が結婚を推奨しているだけあり、離婚をするにはそれなりの困難がつきまとう。

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そもんず
日本では同世代の夫婦とか見ていても、本当に夜の営みがレスな家庭が多い。 月1回なんてのはザラで、年に1回とかもよくいるよ。
シンガポールは、そこまででもないかな。それでも週1回から2回は平均だと思うよ
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Brian

 

世界のサーベイでは、夜の営みは、日本は48回、シンガポールは85回となっている。世界の平均は103回。シンガポールも全世界ではかなり少ないほうだが、日本の回数は異常といえるレベルに達している。

 

シンガポール人の教育事情

お互いに子供を持つ親として、気になるのは教育事情。

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そもんず
まだ、お子さん小さいけど、今後どうやって育てて行くの?シンガポールの大学もアジアではトップだけど。
まずは、高校生まではシンガポールでいいかな?と思ってる。 初等教育は本当にシンガポールは厳しいんだけど、とてもレベルが高いからね。 で、大学からアメリカかヨーロッパの大学に行かせるつもり。トップ層はシンガポールには留まらないよ。みんな海外に出て、そのまま海外か、その後戻ってくる。
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Brian
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そもんず
ち、ちなみに、日本の大学って候補には入ってきたりするの?。
うーん、子供がどうしてもって言うなら、行ってもいいけど。。。 あまり視野には入っていないかな。確かに日本の文化や食事は、本当に すばらしいとは思うけどね。子供が学びたい分野が、日本で世界レベルで学べるなら、もちろんおススメしたいけどね。
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Brian
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そもんず
はい、日本の大学に頑張ってもらいます(苦笑)ちなみに、子供との コミュニケーションって、何語?
基本的には中国語。学校は英語と中国語だね。この2つの言葉ができれば 世界のかなりの数の人とコミュニケーションが取れるから、非常に有利だと思うよ。
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Brian

 

シンガポール人のキャリア事情

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そもんず
今、アジアの色々な人と仕事をしていると、家族が第一の国が多いんだけど、 シンガポーリアンにとっては、優先順位として高いものってなに?
うーん、そうだなあ、、、やっぱり仕事だね。ボクの場合は起業したというのも あるけど、頭の中では、70%が仕事で20%が家族、10%が休息や遊びかな。でも、 普通のシンガポーリアンでも、仕事第一なのはまちがいないと思うよ
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Brian
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そもんず
面白いなあ、考え方が日本みたいだね。やっぱり、もっともっとお金を稼ぎたいのかな?
そうだね。ボクなんかは比較的、金銭的にも恵まれているし、あまり心配しなくても良いんだけど、 一般的なシンガポーリアンは家賃や生活をするために必死に共働きで稼いでいる。生活費は とても高くてさらに上がっているし、教育の競争や仕事での競争も常にある
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Brian
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そもんず
そういえば、シンガポールに住む日本人夫婦が家賃を払うためだけに、仕事をしていると 言っていたよ。ボクはそれが嫌だったから、物価3分の1のマレーシアにしたけど・・・。でも、億単位のお金を稼いで、悠々自適だったのに、なんでBrianは起業なんかすることにしたの?
実は、以前の会社に務めながら、マレーシアの起業家たちと一緒にベンチャー向けのファンドを 立ち上げたんだよね。そこでベンチャーという選択肢が面白いと思った。そして、自分でも起業できる フィールドをみつけたから、ここだ、と思って起業をえらんだ
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Brian
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そもんず
でも、起業することで、安定していた高給取りの仕事や投資するお金もかなりかかるわけでしょ? 起業のリスクをどう考えたの?
リスクは、あってないようなもんだよ。まあ、なくなったらそのときはそのとき。また、稼げばいいでしょ。 でも、今の事業を成功させて得られるもののほうが大きいと思っているよ。
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Brian
 

シンガポール人の危機感と幸福感

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そもんず
シンガポーリアンって、あまりスタートアップや起業とかって考えてないイメージがあったから、ちょっとその意見はびっくり。
そう?でも、シンガポールがすごい裕福な国といわれ始めたのは、ほんのこの数十年。正直なところ、 この国がこのまま順調にうまく進み、発展が継続するとは誰も信じきってはいない。だからたくさん学んで どこでも生活ができるように鍛えなくちゃならない。政府が自分自身を最後まで守ってくれるなんて、信じていたら、みじめなことになるよ。だから、リスクをとって前に進むことも大事だと考えてる。
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Brian
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そもんず
日本人とは全く対局にあるね。どこかで国が救ってくれるとみんなが信じている。例え、食いっぱぐれても 国が助けてくれる、とね。以前、シンガポールの幸福感は世界最低というニュースを見たことがあるんだけど、 それは最後は自分自身が強くなければ、シンガポールだけではなく、世界で生きていけないという強烈な想いがあるからなんだね。おそらく、シンガポールが設立した歴史的背景にも関わっているんだろうけど
マレーシアから追われて設立されたシンガポールは本当に苦渋をなめながら、資源もなにもない中で、 リー・クワンユーの指揮のもと、金融センターとして成長してきた。まだ、たぶん僕たちの世代はその途上にいて、 いい生活を暮らせるようになったんだけど、いつも何かに追われている。(シンガポールは2015年の幸福度ランキングで最下位)
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Brian
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そもんず
その感覚はすごくわかるな。僕たちの一つ前の世代はまさにそんな感じだったと思う。でも、ぼくらの世代は 経済や社会が衰退する時代しか経験していないから、お金が一番という価値観からは解放されつつあって自分の自己実現や社会をどうやって豊かにするのか、という価値観が出てきているよ。一方で、貧富差は確実に 広がって、ニートやひきこもりといった、昔であれば、メシに困らなかったような人もこれからは瀕死の状態に なっていくということもわかっているけど。
スタートアップはまさに社会問題や価値を提供しようとする人とっては、国を問わずに、それを実現できる最高の環境だね。 本当にスタートアップ界わいの人達と話をしていると、どこの国の人でも共通語で話をできるので本当に楽しいよ。
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Brian
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そもんず
それは同感だね。人生ワクワクしながらどこまで楽しめるか。やり方は色々あるけど、 インターネットが染み付いた社会になることで、既存の産業が壊され、本当に何でも仕事となりうる社会になっているよね。 今日は、本当にありがとう、Brian。君のスタートアップも支援もさせてもらうし、成功を祈っているよ!
 
 
f:id:somonsism:20161125012829j:plainすでに時計の針は0時をさそうとしていた。
 
周りは相変わらず、リア充たちで騒がしかったが、すっかり満足しきった2人はバーを後にした。
 
ホテル近くでタクシーを下り、歩きながら考えていた。
 
日本人であることは、良い意味でも悪い意味でも、甘やかされて育ってきていることを痛感した。
自分の力で生き抜くというたくましさは本当にシンガポールのエリートはすごい。
今は、インターネットやスタートアップという環境が、国による時代の違いを奇跡的に結びつけてくれている。

 

 




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