先日、恵比寿のオシャレな肉バルで、40歳でも、相変わらずキラキラしている友人と久しぶりに飲んだときのお話。
オトナなのにキラキラしているA男との再会
「おー、そもんず(=わたし)。元気?最近、どうよ。何か面白いことあった?」
「そうだね。最近は○○というサービスが面白くて、今度、投資するつもりだよ。
A男は?」
「お、面白そう。あとでじっくり聞かせて。
最近、仕事は常にパツパツだけど、なんとか数字も上がっていて、いいかんじだよ。
先月、創業パートナーが辞めて従業員も5人ぐらいついていったので、死にそうだったけど、今いるメンバーが逆に急成長してくれて、ピンチを救ってくれたよ。本当にありがたいね。
まあ、みんなオレのことを危なっかしいと思っているから助けてくれるんだろうね」
「おぉ、それは大変だったね。
でも、A男のリーダーシップをメンバーは信じて残ってくれたんだと思うよ。
かなり頼りない部分もあるけど、ありえない営業力をもっているし、それでもって、20代の青春を思い出させるような熱いのみをくり返されたらね(笑)
それはそうと、A男は運動やってる?
最近、テニスにはまっていて、今度大会にも出るんだよね。
今度、一緒にテニスやろうよ?」
「お、いいね、やろうやろう。今週の土曜とか空いているけど、どう?」
「OK。じゃあ、そこでコート予約しておくね。楽しみにしてる」
今でもキラキラしているA男との会話ですが、この会話の中に、40歳でもキラキラするためのたくさんの秘密がかくされている。
わたしは、こういうキラキラしたオトナのことをキラ男・キラ女と呼ぶことにした。
一方で、あまり、キラキラしていない友人との会話もある。
オトナなのにグレているB男との再会
6ヶ月前に、学生時代の同じゼミナールだった友人(B男)と15年ぶりにバンコクでごはんを食べた。
B男は、日本の大手企業の海外駐在として2年過ごし、これから帰国することになっていた。
「本当に、そもんず(=私)は、楽しそうにしているよね。
オレなんか、タイの人のマネジメントで大変で、今度日本に帰っても、仕事は経理の業務でつまらないし。
プライベートでは子供はかわいいし、今は子供だけが生きがいかな。
趣味はないねえ。ヨメともここ1年ぐらいはすっかりご無沙汰。
60歳になったときの自分の昇進レベルもだいたいわかってきていて。。。
張り合いがね。でも、かわいい子供が3人もいるから、仕事をやめることもできないし。」
「なるほどー。35歳こえると転職はなかなか難しいというよね。
副業でも始めてしまえば?自分が興味もてることで。
あと、ちなみに、昇進レベルっていつ頃わかるもんなの?」
「副業かあ。
考えたことないし、家では家族との時間で一杯一杯だからなあ。。。
昇進については僕らの世代で役員に上がれるのは、3年に一人ぐらい。
そのコースの人は、20代のうちにMBAをとりにいって、帰国してからは経営企画などの主管部門で働いているよ。
転職活動のために、転職エージェントと話をしたことはあるけど、給与20%オフは確実だね。」
「え、じゃあ、20代のうちに、昇進できないとわかっていながら、つまらないと思っている仕事を続けているの?」
「そうだよ。でもしょうがないよね。あと、25年のしんぼうだよ。」
これが、オトナなのに、どこかグレているB男との会話である。
わたしは、こういうキラキラしていないオトナのことをグレ男・グレ女と呼ぶことにした。
あなたは、キラ男、グレ男のどちらになりたいだろうか?
このふたりの会話の中には、数々のそうなったポイントが存在している。
今回は、そんなキラ男になるための20代の過ごし方を提案してみたいと思う。
それでは、キラ男とグレ男のそれぞれの共通点をまとめてみよう。
キラキラしたオトナの共通点:キラ男・キラ女
- 自分のとくいで好きな働き方で、目の前のことに、とことん向き合って、ハマっている。
- 経済的には一般の方の3倍から20倍は稼いでいて、ゆとりがある。起業した人は、一時的に経済的に苦しむ時期もあるけど、その後大きくむくわれている。
- のむと、話はだいたい未来志向。青黒さをもっている。
- 新しく学ぶことやとりくむことにどん欲で、誰からでも学び、吸収しようとする。表面的なプライドを捨てて、本質的なプライドを持っている。
- 他の人に自分が何ができるか、give+giveの精神を持っていて、いろいろな価値観を認めることができる。
キラキラしていないオトナの共通点:グレ男・グレ子
- あまり好きでも、得意でもないことを、そこそこでとりくみ、場合によっては手を抜いている。
- 経済的には、パートタイマーレベルから、平均のちょい上(年収700万)ぐらいまで。社内でも出世は遅め。
- のむとだいたい仕事や家族の愚痴か、ただのエロ話。青さは消えたが、黒さだけが目立つ場合も。
- 何に対してもやる気や興味が出ない。本は読むけど、話題の小説や内容の浅い自己啓発本。表面的なプライド(周りからの評判とか)にとらわれている。
- 自分のルール(勝手に設定しているルール)を守らない人に対してやたら厳しく、心にゆとりはない。
グレ男・グレ子もラクなので、案外悪くはないが、やはりキラキラしたオトナをせっかくならめざして欲しい。
では、あなたがもし、40歳になったときにキラ男、キラ子になりたいなら、どのような過ごし方をすればよいのだろうか。
キラ男・キラ子になるための5つの法則
- 法則1:とことん自分がハマれるものに取り組めているか?
- 法則2:自分の活かし方(自分の取扱説明書)を理解して活用できているか?
- 法則3:自分のリミッターをはずしたり、コンフォートゾーンを抜け出して、成長を継続できているか?
- 法則4:希望と不安の中で、メンタルブロックをいかに外して、行動に移せるか?
- 法則5:青黒さをもち続ける
法則1:とことん自分がハマれるものに取り組めているか?
おそらく学生・社会人1年目、2年目は目の前の仕事にとりくんで、成長することに集中していた時期はあったと思う。
しかし、3年目になると、仕事にも慣れ、慣れの延長戦で仕事にとりくみ、やる気もなにもないのに、その後、十数年と継続していく人がいる。
もちろん、ハマれるものは仕事でなくても構わないのだけど、「幸福論」でカールヒルティもざっくりこういうことをいっている。
最も時間を使う仕事でハマれていれば人生は最高に幸福だ。
ずーっとハマれるものは、たとえ、慣れた仕事であっても、その仕事に対する考え方、取り組み方を変えることでも実現することができる。
以前、シルクドソレイユに出演する日本の元シンクロのオリンピック銀メダリストの北尾 佳奈子さんが、テレビで言っていたこと。
1年もすれば、慣れてきて、仕事へのモチベーションが下がっていた。その時、旦那さんが言ってくれた言葉。
「佳奈子は好きなことをずっと続けられているじゃないか。なのに、まだ欲しいものがあるの?」
その言葉で、ふっと気持ちが楽になって、『やっぱり自分は水が好きなんだ。自分の選択肢は間違っていなかった』とわかったという。
●ハマると依存の違い
ハマる(熱中する)=1つのことに興味を傾け、それに没頭すること。
依存する=最初は興味から始まるが、興味通り越し、それなしには自分を保てない状態になること。
ハマると依存するとは異なります。
キラ男は仕事にハマっている状態ですが、グレ男は仕事や家族に依存しています。
特にグレ男のように、別に好きでもないのに、依存から抜け出せないのは人生の浪費です。みなさんも、スマホ依存やゲーム依存、彼女依存など、それなしでは自分を保てないものは気をつけてください。
まとめ1:理想は、自分が好きなこと&得意なことで、何時間でも取り組めることにフォーカスする。そして、それ以外は断捨離する。
法則2:自分の活かし方(取扱い説明書)を理解して活用できているか?
40代にもなると、自分がどういうスタイルであれば働きやすいのか、時間・場所・人間関係が心地よいか、メンタルが落ちたときにどのように上げるか?などの自分なりの自分の処し方がわかってくる。
それをうまく活用できている人はキラキラしている。
逆に苦手でつまらないことに時間などのリソースをかけているひとは、キラキラできない。
以前、日本マイクロソフトの創業時に社長を務められた西和彦さんとお話したことがある。
当時は、ソフトバンクの孫さんと二大巨頭と比べられたぐらいの経営者だ。
西和彦さんとの当時の会話
西さん「わたしはね、物書きなんですよ。わたしはそれだけが得意でそれ以外はまるでダメだから、物書きにフォーカスして仕事をしているんです。そして、物書きを通じて経営できる体制やサポートを作っているんです」
(出典:http://dialog.ceo/)
そんな西さんは、自分が大好きなオーディオスピーカーのベンチャーを起業し、神田の雑居ビルで楽しそうに語ってくれた。
まとめ2:自分の活かし方(高いパフォーマンスを発揮できる方法)を色々な形で試しながら見つけ、周りの環境をそれにあわせていく。
法則3:自分のリミッターを時々外したり、コンフォートゾーンを時々抜け出して、成長を継続できているか?
能力という点では、
リミッターを外すということも極めて大事。自分の限界なんてものは、20代そこそこでは底が見えていない。
20代は、もっともっと成長できる。
キラキラしているオトナは、常にリミッターを外しつづけ、失敗しつづけた上で、少しづつ自分の器を大きくしたり、ときには壊すことによって、自分がどういう人間なのかを深く観察して理解することができている。
環境という点では、
いかにコンフォートゾーンを抜け出すことができるのか。
ある程度の期間、仕事を継続しているとコンフォートゾーン(居心地の良い空間)にはいってくる。人間はどうしても、怠けがちな生き物だから、無意識のうちに変化や新しいものを拒絶しています。
そう、あなたが知らないうちに。
そこで必要になってくるのは、「意識的に」変化や新しいものを自分で作り出し、成長の容量を広げてやること。
グレ男の場合、自分でそれを作り出すことが苦手で、変化に対して、想像以上の不安をかき立てられている。
一方、キラ男は、コンフォートゾーンに入ってきたと思ったら、新たな挑戦を進める。
仕事であれば、新たなプロジェクトであったり、役職であったり、転職であったり、起業であったり。仕事以外では、新たなスポーツ・楽器を始めたり、交流会や勉強を開始したり。
学生時代に通っていたビジネススクールで、学長の大前研一氏から、こう聞かされた。
自分自身を変革する方法は、3つある。
- 時間配分を変える
- 住む場所を変える。
- 付き合う人を変える。
これは、色々なコンフォートゾーンを突き抜けるための良い方法だ。
アニメ『ベイビーステップ』で主人公の栄ちゃんが、テニスを始めたばかりの頃、全国でもNo.1の実力の先輩タクマに試合で負けた後、言ったセリフは、限界を突破していくときの考え方として、とても素晴らしい。
「とりあえず限界のスケジュールでやってみて 無理かどうかは、その後再検討ってことにしようかと」
まとめ3:自分のリミッターを外し、コンフォートゾーンから出て、常に自分が新たな価値観や情報に出会う機会を作り出し、継続し、自分の習慣にする。
法則4:希望と不安の中で、メンタルブロックを外し、ちょっとした勇気を出して、行動に移せるか?
法則3のリミッター外し、コンフォートゾーン抜けを実現する上で、もっとも大事なこと。
それは、いかにメンタルブロックを外せるか?ということ。
「私は、このままがいいんです(やや意固地的に。本音は違うのだけど)」
という人によく会うが、その言葉の裏には、変化への不安や恐怖がこめられている。
あるインターン生との会話
10年前のこと。そもんずの海外の会社に入ってきてくれたインターン生との会話。
インターン「ぼく、出身が青森なんですけど、まだ学生時代の友達はみんな地元なんですよ。でも、地元で会うとみんな、こう言うんですよね。『東京、いつか出てみたいなー。』って。」
そもんず「東京なんて、いつでも来れるよね。明日でも来れるんじゃない?別に、青森からなら数時間だし、交通費も往復でも3万円あれば足りるでしょ。なんで来ないのか、わかる?」
インターン「まあ、それはそうなんですけどね。でも、やっぱり東京っていうだけで怖いし、不安なんですよね。何か大きな失敗をするかもしれないし」
そもんず「そうかあ。じゃあ、そんな彼にぜひ、お伝えしておいて。
『失敗が怖いなら、周りをびびらせるぐらい、デカい失敗をすればいい。
デカければデカいほど、その人の凄さを周りの人はわかるから、その次はもっと大きなチャンスが来る。
そして、失敗したとしても、今の日本で死ぬことは、まあ、ない。
不安が出てきたら、それを頭から一旦消してしまって、とりあえず動いてみる。それができるか否か』」
インターン「はい、今度、彼に話してみますね。」
10年後になっても、そのインターン生の田舎の友人は東京に出てきたことはないという話を聞いた。一方、インターン生は2年後に、自分でベンチャーを設立し、最近になって10億円程度でその企業を売却した。
まとめ4:心のリミッターを崩し、不安を消して、勇気を出して一歩踏み出す。
法則5:青黒さを持ち続ける
青臭さという言葉はみなさんご存知だと思うが、「青黒さ」という言葉は聞いたことがないだろう。
私が青黒さという単語を知ったのは、在職しながらの海外留学を提供する「留職」というサービスを提供するクロスフィールズの小沼代表が書いた働く意義の見つけ方という本
青黒さとは?
青黒さとは、「想い」の強さ×したたかさ
10代、20代で青臭い話をする人は多いと思うけど、30代・40代になっても青臭い話をする人はほとんどいない。
皆、恥ずかしいと思って話をしないという言い訳をしながら、実は、毎日の安定した生活に埋没して、もともと目指していた夢や希望を心の奥にひっそりとしまい込み、本当の自分とは違った生活を送っていることが多い。
一方で、腹黒さだけで「お金が欲しい」「出世したい」という思いで、仕事に打ち込む人は多い。確かに、多少の腹黒さがなければ、社会の中で成功したり、物事を実現してゆくのは難しい。
真正面から向かって行っても、なかなか実現できないことをうまく乗り切り、実現してゆく「したたかさ」というパワーはとても大事だ。
腹黒さだけで生きている人は「キラキラ」ではなく「ギラギラ」だ。
でも、社会は面白いもので「ギラギラ」した人は、ある程度生活的にもゆとりを持っている人が多い。しかし、「ギラギラしすぎた人」は、途中で法律の壁によって、社会から退場させられることも多い。
まとめ5:「青黒さ」をもった人は、「自分の目標や夢を熱く抱き・語りながらも、目の前の壁をしたたかにオトナのやり方で乗り越えていく強さをもっている」
まとめ:キラ男・キラ女になるための5つの法則
- 法則1:理想は、自分が好きなこと、得意なことで、何時間でも取り組めることにフォーカスする。そして、それ以外は断捨離する。
- 法則2:自分の活かし方(高いパフォーマンスを発揮できる方法)を色々な形で試しながら見つけ、周りの環境をそれにあわせていく。
- 法則3:自分のリミッターを外し、コンフォートゾーンから出て、常に自分が新たな価値観や情報に出会う機会を作り出し、継続し、自分の習慣にする。
- 法則4:メンタルブロックを崩すため、不安を消して、勇気を出して一歩踏み出す。
- 法則5:「青黒さ」をもった人は、「自分の目標や夢を熱く抱き・語りながらも、目の前の壁をしたたかにオトナのやり方で乗り越えていく強さをもっている」
PS:オールドエリートとニューエリートについてまとめたnoteは、次の時代のエリートとしての生き方をまとめましたので、よろしければご覧下さい。